漢方相談ビフォーアフターを紹介するコーナーです。
60代女性
主訴
口の中が常に苦く感じる(水を飲んでも苦く感じる)
精神的にも疲労(介護や子供の事)が溜まっていて非常に疲れている。
怒りのスイッチが急に入ることがあり、大声を出してしまったり相手を侮蔑するような言葉を吐いてしまう事があり、そのような事があるたびに自己嫌悪に陥る。
昨年夏に更年期障害かと思い病院での診察を受けたが、「病気ではない」の一言のみで、具体的な対処方法やアドバイスなどはなく非常に不満に感じた。
1年たっても精神的な不安定感や口の苦みが気になったので東洋医学的な改善法が自分に合うような気がしてインターネットで検索した。
2018年5月天明堂薬局初来店。
その他の症状
眼精疲労 こめかみ付近の頭痛 首から後頭部にかけての重だるさ 肩こり
早口を注意される 目つきが怖いと言われる 呼吸が浅い
考察と対応
声が上ずったようになっていて、自分の話をするばかりで相手の話を聞くことができない印象でした。まさに「頭に気が上がっている(興奮)状態」で、話し方にも抑揚がありませんでした。
頭部など体の上部に過剰に気が上がり、停滞してしまい「気が降りない」ために呼吸も浅くなり、暴言を抑えることもできないと考えられます。怒りの感情は「怒髪天を衝く」や「頭に血が昇る」とも表現されるように気血が上向きになっている証拠なのです。
介護やご家族の事で慢性的なストレスが溜まっていて、それをうまく発散することができないために口の苦みを感じたと判断しました。
そのため漢方薬は以下のものを選びました。
1.ストレスを改善する漢方
2.体の熱を体外に放出する漢方
3.イライラが過剰に出てしまうときに飲める漢方
食事のアドバイス
「少辛多酸」の食事を心がけていただきました。これは「辛い料理や刺激的な料理は控えめにして酸味を感じる料理を意識して飲食していただく」と言うことです。
また散歩やカラオケ、可能であればジョギングなども行い体の中に溜まったエネルギーを放出していただくようお願いいたします。
服用後の経過
初来店から2週間後
口の苦みはまだ改善していない
眠りの質が良くなった
自分の感情を少しだけどコントロールできた気がして、良くなっていきそうな気がする
主人が優しくなった
※漢方薬も抵抗なく服用できているため、同じものを1か月分お渡ししました。
初来店から6週間後
食べ物の繊細な味が分かるようになった、夫と味覚を共有できるようになった。
まだイライラすることはあるけど、昔よりは落ち着いている。
主人が褒めてくれるので、ものすごくポジティブに考えられるようになった。
※初来店とは別人のような表情になっていました。穏やかでニコニコしていて、口調も落ち着いています。会話も成立するようになりこの時点でかなりの改善が見られました。
初来店から10週間後
苦みを感じる事はこの4週間で1~2回あったけど、その程度なら気にならない。
運動も習慣になり、朝のランニングが日課になっている(雨が降るとランニングできない!と楽しそうにお話されました)。
※この時点で当初の「口の苦み」は改善していたので、お薬の減薬と変更を提案しました。
ご本人の意向もあり、疲れにくくなる漢方薬と美肌つくりに役立つサプリメントを服用する事になりました。
その後
現在では、月に1度、笑顔でご来店いただいております。
初来店時の般若のように目のつりあがった表情がウソのようです。
今回は「口の苦み」がご来店の主訴でしたが、よくよく紐解いてみるとこの方は「過剰なストレスから精神的な疲労がピークになっていた事」が実は一番の病因だったのです。
TEL:028-622-5975
住所:栃木県宇都宮市星が丘2-9-25